「AIに任せたら、逆に仕事が増えた…」AI開発あるあるから脱却する、
オプトが掴んだAI協働の“型”

導入期間:10時間
課題:属人化していたAI活用からの脱却
導入サービス:AI駆動開発・開発工程コース
対象者:部門内でAI活用の推進を担当するリーダー層
デジタルマーケティング業界をリードする株式会社オプト。全社を挙げてAI活用を推進し、公式AIツールとしてGoogleのGeminiを導入、全社員の利用率100%を達成するなど、先進的な取り組みを続けています。しかし、その一方でソフトウェア開発の現場では、AIの活用度が個人のスキルに依存する「属人化」や、体系的な開発手法が確立できず「効率的にAIを活用しきれていない状態」に陥るという課題も抱えていました。
そんな状況を打破すべく、同社のCX開発部に所属する中澤 将志様は、amoibe OJTの「AI駆動開発コース」を受講。研修を通じて、AIとの付き合い方はどう変わったのか。そして、組織全体の開発力をどう底上げしようとしているのか。amoibe代表の新條 隼人がお話を伺いました。
全社でAI推進を掲げるも、開発現場のリアルは「属人化」だった
新條:本日はありがとうございます。改めて、今回の研修を受講される前の、御社のAI活用における状況や課題について教えていただけますか?
中澤さん:はい。まず会社全体として、AIをどんどん推進していくという方針があります。公式AIツールとしてGoogleのGeminiが導入され、まずは全社員の利用率100%を達成しようという目標があり、それは達成できました。
新條:すばらしいですね。全社的な土台がすでにあったのですね。
中澤さん:はい。その上で、私が所属するCX開発部では、「AIを使って開発効率を上げ、人間はよりお客様のニーズを深掘りする時間に充てていこう」という方針を掲げています。ただ、実際に開発を進める中で、案件によってAIをうまく使えていなかったり、人によって活用度合いややり方が違ったりという状況がありました。
新條:なるほど。AI活用が「属人化」していた、と。
中澤さん:そうですね。そこで、まずは一般的なAIを使った開発の「セオリー」を学び、それを部署内にフィードバックしていく必要があると考え、私が推薦を受けて受講することになりました。
新條:御社では、役員の方が新しいAIツールを積極的に共有されたり、有志の方がウェビナーを開催されたりと、自発的な情報収集の仕組みがすでにあると伺いました。それでもなお、外部の研修が必要だと感じられたのはなぜでしょうか?
中澤さん:色々なツールの紹介はありましたが、皆がそれぞれ手探りで試している状態でした。部署内でチームに分かれて、AIで要件定義から実装までやってみる、という研修的な取り組みもしたのですが、それでも本当に効率的な開発の方法は確立されておらず、追求と手探りが続いていました。
他社求めていたのはツールの使い方ではなく、開発の「セオリー」
新條:まさに、「使ってみる」フェーズから「使いこなして成果を出す」フェーズへ移行するための壁があったのですね。
中澤さん:はい。まさにそうだと思います。新しいツールを知る機会はたくさんありました。例えば、開発には当初GitHub Copilotを使っていましたが、「Cursorがいいらしい」となれば、有料プランを導入してプロジェクトで試してみる、といった動きはありました。
新條:情報感度が高く、アクションも非常に速いですね。
中澤さん:ただ、そういった断片的な知識だけでは不十分だと感じていました。今回学びたかったのは、特定のツールの使い方というよりは、どのツールを使うにしても通用する、もっと汎用的な開発の考え方や進め方、つまり「セオリー」だったんです。
新條:ありがとうございます。本コースも、特定のAIツールの覇権がまだ見えない状況だからこそ、ツールに依存しない普遍的な「AI協働力」を身につけていただくことを目指しています。その点が、御社のニーズと合致したのかもしれませんね。
中澤さん:そう思います。受講してみて、研修で学んだことはCopilotを使おうがClaudeを使おうが持ち越せる、ツールによらない話だと感じました。
図1|AI協働力
「感覚」での指示から脱却。高速フィードバックでアプローチが改善されていく実感
新條:実際に研修を受けられてみて、率直にいかがでしたか?
中澤さん:受講する前と後で大きく変わったのは、AIへの指示の仕方です。今までは、結構その場の「感覚」でAIに指示するような感じだったのですが、研修後はプロンプトをきちんと体系立てて考えるようになりました。AIに何をしてほしいのか、そのためにどんなコンテキスト(背景情報)を与えなければいけないのかを、しっかり考えて指示するようになったんです。
新條:「感覚」での指示から、意図を持った指示へ変わったのですね。
中澤さん:はい。課題のフェーズごとにメンターの方からフィードバックをいただけるので、「次はこうしてみよう」と試行錯誤する中で、自分のアプローチの仕方が変わっていく、良くなっているというのをすごく実感できたんです。それがとても面白かったですね。
新條:それはよかったです。オンラインではありましたが、メンターが伴走し、ペアプログラミングに近い雰囲気で進められたかと思います。
中澤さん:まさに、実際にすぐ隣にいるような雰囲気でできたのが大きかったです。いつでも何でも質問していいよ、という空気を作ってくださっていたので、非常にやりやすかったですね。
AIを本当の意味での相棒へ。生産性向上への手応え
新條:AIへの指示の仕方が変わったことで、実際の業務に何か変化はありましたか?
中澤さん:大きく変わりました。例えば、今までは機能の実装にAIを使うことはあっても、テストの作成やツール的なスクリプトの作成は自分でやっていました。それをAIに任せられるようになったんです。
新條:以前はAIに任せていなかったのでしょうか?
中澤さん:いえ、任せようとしたことはありました。ただ、先ほどの「感覚」の話と同じで、適切な指示の出し方が分からなかったので、「あ、なんか使えないな」「うまくいかないな」で終わることが多かったんです。AIとのやり取りに時間がかかって、結果的に「これなら自分でやった方が早い」となってしまう。
新條:ああ、それはよく聞く話ですね(笑)。新人に仕事を頼んだら、かえって自分の仕事が増えてしまった、という状況に近いかもしれません。
中澤さん:まさにそんな感じです。それが、研修でAIへの依頼の仕方が分かったことで、手応えが全く変わりました。どうすればAIが意図を汲んでくれるかが分かり、スムーズに協働できるようになった感覚です。
新條:アンケートでは、学んだことを活かせば、開発の生産性がおよそ20%くらいは向上するのではないか、というお話もいただきました。その手応えは、今お話しいただいたような「AIにうまく任せられるようになった」部分が大きいのでしょうか。
中澤さん:そうですね。特にテストやスクリプト作成といった部分をAIを活用して効率的に作成できるようになったは大きいと感じています。

図2|アンケート結果
一部のトップランナーから組織全体へ。AI開発のベースを底上げする
新條:最後に、中澤さんご自身、そしてオプトとして、今回の学びを今後どのように展開していきたいか、展望をお聞かせください。
中澤さん:はい。弊社では、AIを使って効率的に画面を作成して要件定義を進め、従来1〜2ヶ月かかっていたものを2日で開発を完了させるようなサービスを提供しています。
新條:素晴らしい取り組みですね。
中澤さん:ただ、それを担っているのはまだ一部のメンバーです。昔ながらのウォーターフォールで開発をしてきたメンバーは、AIツールを使いつつも、まだそこまで活用しきれていないプロジェクトもあると感じています。 今回学んだ体系的な知識を、そういったメンバーにも共有していくことで、特定の誰かだけがすごい、という状態から、組織としてAI活用のベースを上げていきたいと考えています。
新條:まさに、中澤さんのような方がハブとなり、組織全体のAI開発力を引き上げていくのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
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