「現場任せ」では越えにくかった開発への壁。
ローテーション育成を前に進めた、amoibe OJTという選択

従業員数:195名(2025年4月1日現在)
導入期間:3ヶ月(60時間)
課題:運用・監視から開発へのローテーション時に、無償期間や収益性低下が発生
導入サービス:Javaコース
対象者:若手社員3名
スピード感ある開発文化の中で事業を拡大してきた株式会社ココト。若手には早い段階で複数業務を経験させ、自分に合ったキャリアを見つけてほしいという方針のもと、開発・運用・監視のローテーションを重視してきました。
一方で、運用や監視から開発に移る際には、座学や資格学習だけでは実務経験として評価されにくく、案件アサインまでに無償期間が発生してしまうこともあったといいます。そこで同社は、実務に近い形で開発経験を積めるamoibe OJTのJavaコースを導入。今回は、ITエンジニアリング事業部 事業部長の今村 直人様、ITオペレーション室 副室長の村上 卓矢様に、導入の背景と受講後の変化について伺いました。
若手に広く経験させたい。課題は、開発へ移るときの「実務経験の壁」
伊藤:本日はよろしくお願いいたします。まずは御社の事業概要と、お二人の役割について教えてください。
今村さん:株式会社ココトは、クレオグループの一社で、2016年に事業を切り出す形で設立されました。グループ全体では約1,000名、そのうち約200名ほどが当社に所属しています。主な事業はWebアプリケーションの開発・運用、データ集計・分析、そしてシステム監視です。
もともと親会社は、しっかり設計して時間をかけて作るウォーターフォール型の強みを持っていました。一方で、当社が長く支援してきたお客様はスピード感を重視する文化があり、それにフィットするため、より機動力のある会社として立ち上がった経緯があります。
私は開発・運用領域を担当していて、村上は監視領域を主に見ています。
伊藤:今回は今村さんの管轄から2名、村上さんの管轄から1名、合計3名の受講でした。amoibe OJTを導入いただいた背景には、どのような課題があったのでしょうか。
今村さん:当社では、若いメンバーにはなるべく幅広い業務を経験してほしいと考えています。開発・運用・監視を一通り経験した上で、自分が本当にやりたいことや向いていることを見つけてほしい、という方針です。
ただ、開発から他の業務へ移るのは比較的スムーズでも、その逆、たとえば運用や監視から開発へ移るのは簡単ではありません。技術知識を学んでも、お客様からすると「実務経験はないですよね」と見られてしまう。結果として、無償期間を設けて「まずは勉強させてください」という形で入らせてもらうケースもありました。
そうなると、売上や利益は当然落ちます。ローテーションをもっと増やしたいと思っても、収益性を下げずに実現するのが難しい。そのスピード感と収益性の両立が大きな課題でした。
教育投資の全社方針。それでも埋まらなかった「実務との距離」
伊藤:ホームページを拝見しても、御社は採用ブランディングや教育投資にもかなり力を入れている印象です。これまでも他の教育施策は実施されていたのでしょうか。
今村さん:はい。新卒に関しては、外部研修会社に3ヶ月ほどお願いして、ビジネスマナーから開発の基礎まで学ぶ研修を実施しています。ユニークな施策だと、その後に自社の2年目社員がカリキュラムを作成して、2週間ほど集中的に教える期間も設けています。
全社としてはUdemy BusinessやGLOBISのような学習環境も整えていて、技術だけでなくヒューマンスキルも学べるようにしています。全社の方針として、教育には以前から積極的に投資してきました。
ただ、それでも実際の案件に入るための「実務との距離」は埋まりきらなかったんです。特に、開発経験のない人が開発に移る場面では、その差が大きく出ていました。
期待以上だったのは、技術と実務を繋ぐ学び

図1|実務とのギャップ
伊藤:実際に受講いただいて、率直な評価はいかがでしたか。
村上さん:社内でも有識者が前に立って技術共有や座学研修はやっていたのですが、どうしても受講者は聞き手になりやすく、習熟度が上がりにくいところがありました。学んだ内容を使って成果物を作る、というところまで繋がりにくかったんです。
その点、amoibe OJTは実践形式でした。仮想環境で実案件に近い依頼があり、専属のメンターがついて実際に開発物を作り、最後は発表までやり切る。受講した本人たちからも、コーディングやソースコードを読む力など、これまで得られなかった実践的な力がついたと聞いています。
内部だけでこれをやろうとすると工数もかかりますし、全体をハンドリングできる人も必要になります。そこを外部で実現できたのは非常に大きかったですね。
今村さん:正直、最初は「コーディングを少しフォローしてくれる」くらいのイメージだったんです。でも実際はそれだけではありませんでした。
たとえば、開発で詰まったときにどう調べるか、質問するときにどう整理して伝えるか、相手に伝わる聞き方は何か、そういった開発エンジニアとして働く上でのベースの部分まで踏み込んだ内容でした。
技術知識そのものと、実案件で働くことの間にある「実務との距離」はまさにその部分だと思うので、良い意味で期待を裏切られました。
ストレッチな目標設計と、見えてきた改善点
伊藤:今回の課題設定は、受講者の皆さんにとってややストレッチだったのではとも感じました。難易度についてはどう見ていらっしゃいましたか。
村上さん:途中経過だけを見ると、少し難しいのではという印象もありました。特にGitやツールの扱いなど、開発そのものの前段階でつまずく場面もあったので、最初は目標が高すぎるのではとも感じていました。
ただ、最終発表を見ると、結果的にはちょうどよかったと思います。しっかりストレッチした先のラインまで到達していたので、落としどころとしてはよかったですね。
今村さん:難易度としては私もよかったと思っています。楽に学べるものだけでは成長しないですし、負荷を乗り越えたからこそ持ち帰れたものがあったと思います。
一方で、今後さらに広げるという前提で言うと、全社員が同じ難易度を乗り越えられるかというと、それは別の話だと思います。受講者に応じた難易度や進め方の調整は検討事項です。
伊藤:今後期待する点や、改善点があれば合わせて教えてください。
村上さん:今村からあったように、難易度調整の部分でしょうか。事前のスキルチェックシートではJava経験など、受講時点での習熟度を確認してもらいました。一方で、Gitの扱いやソースコードを読む力といった、可視化の難しい部分を細かく把握できるようになれば、受講者に合わせた難易度調整もしやすくなるのでは、と感じました。
日常業務や無償期間なしの案件アサインに現れた、受講後の変化

図2|amoibe OJT受講前後のイメージ
伊藤:受講から2ヶ月ほど経ちましたが、変化を感じる場面はありましたか。
村上さん:あります。今回受講した私の部のメンバーは、最初の頃は上司や先輩の時間を奪ってしまう遠慮から、なかなか質問ができなかったんです。
でも、受講を通じて「聞かなければ進まない」「5割、6割の理解でも、整理して相談した方が前に進む」と理解できたようで、今は実際のプロジェクトでも相談のタイミングが増えました。しかも「ここまでやって、こう考えているのですがどうでしょうか」と内容をまとめた上で質問できるようになってきました。amoibe OJTを通じた学びは、日常業務の中でも感じています。
伊藤:当初課題感としてあげられていた案件アサインや無償期間の短縮には繋がりそうでしょうか。
今村さん:1名は、すでに無償期間なしで開発案件へ切り替えることができました。
伊藤:amoibe OJTでは設計書やソースコードなどの成果物をそのまま営業活用できるのですが、開発未経験者であっても具体的な成果物があることは提案時のメリットになりましたか。
今村さん:実際に切り替えることができたのもそうですし、単価という部分でももともと低めだったところから標準的な水準に近づいた感覚があります。
「成長したい社員を大切にしたい」そんな会社にこそ合う
伊藤:最後に、どのような企業にamoibe OJTは合うと思われますか。
村上さん:新卒で入社した人はもちろん他業種から未経験でITに挑戦してきた中途入社者の中には、開発やクラウドなど自分のやりたい方向性を少しずつ見つけていく人が多いと思います。でも、現場との兼ね合いで希望と違う配属になったり、なかなか経験を積めなかったりすると、退職リスクにつながることもあります。
そうした中で、会社が実案件とは別に実践形式の経験機会を用意できるのは大きいです。キャリアの見通しも立ちますし、次の案件に挑戦させやすくなる。そういう会社にはかなり合うと思います。
今村さん:私も大きくは同じ考えです。学びたい、成長したいという社員がいる会社には良いサービスだと思います。ビジネスとの両立の中で、それを実現するのは難しい。だからこそ、成長したい社員を大切にしたい企業は、一度検討してみる価値があるのではないでしょうか。
伊藤:本日は、貴重なお話をありがとうございました。